アレルギーと遺伝

Q.親のアレルギーは遺伝するのか?

現在妊娠7ヵ月の妊婦です。私はアレルギーがありませんが、夫はひどい花粉症です。親がアレルギー体質だと子供がアトピー性皮膚炎などのアレルギーになりやすいとよく聞くので少し心配です。親がアレルギーだと子供は必ずアレルギーになるのでしょうか?

A.アレルギー疾患全体の素因、アレルギー素因が、体質として遺伝していきます。

アトピー性皮膚炎発症の原因として他のアレルギー病と同様に、アレルギー体質あるいはアレルギーを起こしやすい素因が関係しています。

アレルギー疾患には集積性といって、例えば父親が気管支喘息で母親が食物アレルギーであったりすると、その子供がアトピー性皮膚炎を発症してくるといった具合に特定の家、親族にアレルギー疾患の方が多く出現する傾向がみられます。

つまり、喘息がそのまま子供に素因として伝わるわけではなく、喘息であったり、また花粉症であったりするアレルギー疾患全体の素因、アレルギー素因が、体質として遺伝していくので特定の家系に様々なアレルギー疾患が集まって発病することがあります。

それではアレルギー素因はどれくらい発病に影響を及ぼすかというと、アレルギー疾患を調べた家系調査の結果、母親にアレルギー疾患がある場合30%程度の子供に発症し、両親がともにアレルギー疾患であった場合は50~80%にもなります。

また両親ともにアレルギー疾患でない場合は10%程度なので、明らかに素因、アレルギー体質の遺伝が発病に関与していることが解ります。

もちろん、発病に至る場合、素因だけではなく本人の生活環境からも影響を受ける訳で、例えば一卵性双生児の場合、10才前後ではアレルギー疾患の症状、症型の一致率は100%であるのに対して、双子がその後成長して35才以上になると25%以下と低下しますので、成長とともに素因より、生活環境の方が発病に大きく影響していくと考えられます。

以上のことから、生れてくるお子さんに何らかのアレルギー疾患がみられる可能性はありますが、大きくなるにつれ生活環境が影響することを考えると子供のうちから食生活をはじめ、よい生活習慣を身につけることが重要になります。

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