咳の話
Q.咳止めに注意は必要ですか?
風邪をひくとよく咳が出てひどい時は夜眠れません。
咳止めを飲んで寝ますが咳は止めない方がよいと言う人がいます。止めない方がよい咳もありますか?
また、咳止めを飲むのに注意が必要な人はどんな人ですか?
A.痰の有無で判断しましょう。
咳は急な爆発的な息を吐き出す動作で、気道(口から気管支までの空気の通り道)から痰などの物質を取り除くのを助けます。
痰を出す咳は原則として止めない方が良いです。痰という異物を気道から取り除くのは体にとって必要なことだからです。しかし、咳によって体力を消耗したり、咳のために安静を保てなかったり、睡眠の妨げになる様な場合は咳止め(鎮咳剤)を使用して咳を止めます。
痰が出ない咳は咳止めで止めてもかまいません。
痰が出る咳の治療の原則は十分な飲水と加湿によって痰の粘りけを抑え痰を出しやすくすることです。飲水が充分できない時は点滴が必要になります。加湿としては部屋の湿度を加湿器などで上げたり、マスクをして気道の湿度を上げる方法があります。
咳止めを飲むのに注意が必要な人は、薬剤で副作用が出たことがある人です。副作用が出たことがある薬と同じ系統の咳止めを飲むことは危険だからです。
また、咳止めを決められた以上に飲むと副作用が出やすくなるので、薬の用量を守れない人にも注意が必要です。同じ体に入る薬の間で相互に影響しあう(薬剤相互作用)ので、医療機関で咳止めをもらう時には他の医療機関でもらっている薬の内容を予め伝えるようにします。診療科が違っても薬の内容は伝えてください。