線維性骨異形成症の手術

Q.線維性骨異形成症で骨移植の手術を勧められました

 半年前に脚のすねが痛く整形外科を受診したところ「線維性骨異形成症」と診断され、経過観察のため通院していました。

 最近の検査で患部が少し大きくなり、今後も大きくなると骨折の可能性もあると言われ、医師には骨移植の手術を勧められました。

 ①手術は必要ですか、②どのような手術になりますか、③手術後はどのくらいで支障なく生活できるようになりますか、また④脚の機能に問題はありませんか。

A.線維性骨異形成症は様々な種類があります。主治医とよく相談されることをお勧めします

「線維性骨異形成症」は骨腫瘍というより、一種の骨発育障害と考えて良い良性疾患です。

 単発性、多発性、多発性に色素沈着および内分泌異常を伴うものの3種があります。好発部位は脛骨、大腿骨が各30%程度です。

 成人になると病巣の拡大は停止する場合が多いようです。しかし病巣が拡大し、骨の脆弱化で病的骨折の懸念がある場合には、病巣掻爬、骨移植手術が必要になります。

①手術の必要性

 病巣が骨強度に影響を与えない程度の大きさで、拡大の恐れがなければ放置しても良いと考えられますが、病巣の拡大が停止せず骨の脆弱化が進行する場合には、病的骨折が起こる前に病巣掻爬、骨移植手術が必要です。

 例えば脛骨に1.5~2cm大の病巣でもあれば、病巣がどの部位にあるか、そして外力の強度・かかり方によっては病的骨折を起こす可能性があると思われ、十分な検討が必要と考えられます。

②手術の方法

 病巣掻爬、骨移植手術がその主内容です。

 移植骨はハイドロキシアパタイトでできた人工骨、死体や、切断肢から採取した骨を加工保存した銀行骨、自家腸骨(自分の腸骨)等です。人工骨は充填材として用いられ周囲の骨との融合性が弱いため、力学的に問題が残りますが、骨形成を促し、そのもの自体は吸収消失するような新素材もできてきています。

 銀行骨はいずれ同化吸収されますが、他人の骨を使用することに対する抵抗感が問題になる場合もあるでしょう。

 従って、採骨部の傷と当分の痛みが我慢できれば、活きた骨細胞がそのまま使える自分の腸骨採取が一番良いのではと思います。

③術後の経過

 採骨部の痛みが続くことがあるため、支障なく過ごせるのは、術後早くて2ヵ月、人によっては3~4ヵ月以上かかるかもしれません。

④術後の脚の機能

 人工骨以外であれば、病巣が小さく、掻爬部が完全に充填・癒合すれば、強度的に十分で、スポーツにも十分耐えられるようになると考えられますが、病巣の範囲、部位によっては骨折や疲労骨折が起こる可能性が無いわけではありません。

 人工骨の場合には使用された部位、範囲、量により強度的に問題を残すことも十分あると考えられます。いずれにしても、自分のしたいスポーツと安全性について主治医から注意を受けて下さい。

 手術に対して十分に理解し納得できるまで主治医と相談されることをお勧めします。

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