精神科、心療内科、神経内科

 精神科、心療内科、神経内科の違いをご存知でしょうか。

 医療は専門化が進んでいますので、できるだけ正しい診療科へ行き専門知識を持ったドクターに見てもらいたいと思う人が多いと思いますので、今回は精神科、心療内科、神経内科の違いを解説します。

精神科

 精神科は主に精神症状が強い場合にかかる科で「意識」「思考」「判断」「記憶」「意思」などの精神機能に障害がみられる症状が対象となります。

 具体的には集中力・注意力の低下自己評価の低下悲観的な考え自殺願望などの死にたい気持ち活力の減退や感情の起伏の消失などの症状が対象です。

心療内科

 心療内科は「心」という文字が使われることから「心の病気を診るところ」と思われがちですが、「心の影響を強く受けるからだの病気」を診るところです。よって、心療内科医は体の症状例えば、頭痛、めまい、動悸、不整脈、高血圧、喘息症状、咳、腹痛、下痢等のコントロールをするために循環器科、呼吸器科、消化器科または胃腸科等広く内科の専門知識を持っていることが基本になります。

 日本では“精神科”を受診することに対する患者さんの抵抗感がまだ強く、本来は精神科で見るべき疾患を心療内科で扱っているケースも多いのが現状です。患者さんへの敷居を低くするために精神科と心療内科を明確に区別せず、表現を和らげて神経科、メンタルクリニック等と標榜している医療機関もあります。

神経内科

 神経内科は、病理変化のある神経疾患を内科的方法で診断治療していく科という点で明確に区別されます。

 具体的には運動(手足の麻痺など)、知覚(しびれなど)、筋肉の異常(力が入らない、自分の意思に反した筋肉の痙攣など)等で困っている患者さんの診断治療を行う科です。

精神科・心療内科・神経内科のまとめ

 以上より、精神的な症状が強い場合には精神科、ストレスによると思われる体の症状が強い場合には心療内科、しびれや頭痛といった症状を認める場合には神経内科を受診することがすすめられます。

科目対象の病気や症状特徴
精神科気分障害(躁うつ病、躁病、うつ病)、人格障害、統合失調症等脳神経は傷ついていないが働きが悪くなって起こる精神病の診断や治療を専門にする。
心療内科心身症(ストレス性潰瘍、過敏性腸症候群、過換気症候群、気管支喘息、摂食障害等)、パニック障害等体の症状を訴えているがそれが心理的な問題のために起こっていたり治りにくくなっている“心身症”の診断や治療を専門にする。悩みやストレス、ショックで起こってくることが多い。
神経内科脳出血、脳梗塞、頭痛、痴呆、パーキンソン病、手足の痺れ等脳や神経系の器質的な障害(脳や神経系が実際に傷ついている)の診断や治療を専門にする。

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