女性と痔

Q.妊娠を機会に痔になる女性が多いと聞きます。何に注意したらよいですか?

 今後妊娠・出産を考えていますが、妊娠を機会に痔になる女性が多いと聞きます。もともと便秘症なので心配です。妊娠中どのようなことに注意したらよいでしょうか?

A.あまり憂えないで、専門家に相談しながら妊娠・出産を乗り切りましょう。

 いわゆる痔核”に悩む女性は比較的増えていると言われています。ただ、症状を起こす部位が、自分では見られない、あるいは、思い切って見てみたり、触ってみたりしても、よくわからないので、ただ不安になるだけの方もいらっしゃるようです。

 「痔」は肛門科、肛門外科、あるいは外科を受診されるのが一般的です。事前に問い合わせておくとよいでしょう。

 『いわゆる痔』とは肛門の周辺に起きている病気の総称です。その90%以上を占めるのが、痔核、裂肛、痔瘻で、肛門三大疾患と言われています。俗称として、いぼ痔・切れ痔・あな痔などがあります。

 痔の予防には肛門に負担をかけないことが大切で、便秘も下痢もよくありません。お尻を清潔に保ち、便秘や下痢などの便通異常は改善しましょう。便秘が女性に多いのは、女性ホルモンの関わりがあると言われています。

 さて、 ご心配の妊娠中についてはどうでしょうか。妊娠中は運動不足・食欲低下・自律神経不安定などが原因で便秘になる傾向があります。また、妊娠中では胎児が腸を圧迫したり、大きくなった子宮が血液循環を妨げて骨盤内がうっ血します。これが便通そして痔に影響してしまいます。

 また、出産時(分娩時)は、強いイキミにより肛門の血液循環がひどく悪化し、痔に影響します。出産後は、睡眠不足やストレス、特に授乳期には脱水になりやすく、便秘がちになります。食生活や適度な運動、心身のリラックス、疲れを貯めないなどを妊娠から出産、授乳期・・・と時期に合わせて調整していかれるとよいでしょう。

 ここで大事なことは、妊婦の方に使用できる便秘薬は子宮に影響を与えないものに限られていることです。下剤を使用すると、子宮収縮がおきて流早産につながる危険があるからです。必ず医師と相談して服薬してください。同様に、痔が悪化した、あるいは痔になったと思われたときは、早めに診察を受けて下さい。

 なお、普段便秘がちな方でも、仕事をやめたり、産休を取ったりして時間が出来ますと、食事に気をつけるようになり、 排便時間が規則的になって、返って便秘から解放されることもあるようです。

 「痔」は、体質的に起こりやすい場合もありますので、あまり憂えないで、専門家に相談しながら、無事、妊娠・出産を乗り切っていただきたいと思います。

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