天気と腰痛の関係
Q.雨が降ると腰が痛くなる原因は?
雨が降る前になると腰が痛くなります。神経痛でもそのようなことがあると聞きます。何故でしょうか?
A.気圧変化による膨張や炎症が原因です。
天気が悪くなると、腰が痛くなったり、持病の腰痛が出たり、骨折のあとが痛くなったりすることがあります。冷えてきても同じようなことも起こります。
関節炎のように組織が炎症を起こしていると、炎症を起こしている領域の血管の浸過性が進み、血漿成分が血管から組織内に浸透し組織が膨隆するため、腫れた状態が起こります。
人間の体は大気の圧力によって圧迫されていますが、天気が悪くなると大気圧が低下し外からの圧迫が弱まるため正常な組織でも膨張します。
炎症があると血管が拡張し血液が余計に組織に流入し、組織への血漿成分の浸透が進むためさらに腫れが進むことになります。このような理由から痛みが出現したり、今まで以上に痛みが強くなるといわれています。
それとは別に、気圧変化を感知する神経細胞があるため、気圧の低下を感じ取って痛みが出ると考えている研究者もいるようです。
いずれにしても、気圧の低下が疼痛増加の大きな原因といってよいでしょう。
Q. 冷えると痛みがでるのは?
冷えると痛みが出ることもあります。これはどうしてなのでしょうか。
A. 冷えによる血流の低下が原因です。
体温を産生するのは主に筋肉と肝臓です。筋肉が収縮運動をすると熱を発生しますが、膝、肘、足等の関節は筋肉にあまりおおわれておらず、気温が低下するとこれからの場所は冷えやすいといえます。
組織が冷えればその部分の血管は収縮し、血流が低下すると考えられます。血流が低下すれば組織の栄養が不足し、老廃物(乳酸等)の排出が遅れ、疼痛が出現しやすくなります。
したがって、気温が下がると痛みが出やすいといえます。
冬の冷気だけでなく、冷房のよく効いたところに長時間いても同じことが起こります。慢性的に痛みのあるところは(炎症を起こしているのでなければ)、なるべく冷やさない方がよいでしょう。
風呂に入って十分温めたり、サポーター等で保温するのもよいでしょう。