眼圧が正常でも緑内障のことがある?
Q.眼圧が正常でも緑内障のことがあると聞きました。症状はありますか?どんな検査でわかりますか?
A.正常眼圧緑内障
緑内障は眼圧の異常上昇や眼血流量の低下のため、網膜の神経細胞が障害されて、視野欠損が出現し、進行すれば失明にいたる病気です。
高眼圧による緑内障は放置すれば急速に進行し、比較的短期間のうちに失明にいたるため、緑内障の診断や治療に関係する学問はこれまで、急速な進歩を遂げてきました。
しかし、“眼圧が正常であっても眼血流量が障害されて発症し、進行が30年から40年以上と、ゆっくり進行する正常眼圧緑内障”は、近年、高齢化社会となるにつれ患者数が増え、診断技術の進歩とともに緑内障のなかでもっとも頻度が高いことが判明して注目を集めるようになりました。
1988年〜1989年にかけて実施された疫学調査では、40歳以上の緑内障患者が人口の2.58%で、正常眼圧緑内障が2.04%であったといいますから、緑内障全体に占める割合は無視できません。
成人病検診を含めた健康診断の普及とともに、眼科検診の機会が増えたため、眼底検査における視神経乳頭陥凹所見として発見されることがしばしばあります。視神経乳頭陥凹は高眼圧や眼血流量の低下のために視神経乳頭の中央付近が広く陥凹してくることを言い、これは視野欠損の範囲と一致します。
正常眼圧確定診断をするためには、まず、眼圧が一日の内高い時刻がないかどうかを調べるために眼圧の日内変動を調べる必要があります。
また、視野の欠損の有無と程度を調べるために、いろいろな精密な器械で視野検査を行います。視野欠損を生じる緑内障以外の全身疾患がないかどうかを調べるために、血液・尿検査や頭部CT検査などの放射線検査が必要です。これは、現在のところ、視野欠損を生じる緑内障以外の全身疾患がある場合は正常眼圧緑内障と呼ばないからです。
眼科では緑内障診断のためのさまざまな精密検査を行ってから確定診断していますが、スクリーニング検査が健康診断の眼科検診でも出来ます。
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