風邪とインフルエンザの対処法

寒くなるとよく風邪をひくのは、鼻や気管の線毛の働きが弱まるからです。

線毛は私達の鼻や喉の粘膜にまるで絨毯のような構造で存在する器官で、チリやホコリ、ウィルスや細菌の進入を防ぐフィルターとして異物を体の外に排出させます。線毛は寒さ以外にも乾燥(湿度の低下)や栄養の低下で動きが鈍くなり、ウィルス感染の原因となります。またインフルエンザウィルスなど冬に流行するウィルス自体が、湿度に極めて弱い性質があります。

つまり、風邪の予防には適度な湿度と栄養が大切なのです。少しくらいの風邪でも仕事を休めない皆様、できる限り規則正しい生活を守ることで過労、体力の低下を避け、夜は加湿器の使用や洗濯物を干すなどして、十分な加湿を心がけてください。

また、ウィルスは手や顔、衣服にも付着しており、その手で眼をこすったり鼻をいじったりすることが感染経路の一つになるため、外出後の手洗いも意外と効果的です。

一度感染してしまうと症状が重篤で安静を余儀なくされるインフルエンザを最も適確に予防するのはワクチンです。ワクチンの効果は、製造の段階で行われるその年に流行する型の予測があたるかどうかで大きく左右されますが、最近はその精度が大幅にアップし、予想が的中しています。ワクチン接種により、インフルエンザにかかりにくくなったり、かかってもごく軽症で済むという利点があります。副作用としては注射部位の腫れと痛み、たまに発熱が見られる程度で過去に報告のあった重篤な副作用は非常に稀です。

風邪の病原微生物の種類は200種類以上ともいわれておりますが、そのうちほとんどがウィルス感染で、自然軽快するものです。但し、ウィルス感染により線毛の細胞が壊されると、二次的に細菌感染をおこしやすくなります。

細菌感染を合併すると抗生剤による治療が必要になります。症状が軽快しないまま1週間以上続いたり、色のついたドロッとした痰を認める場合は医師の診断により抗生剤を服用するのが得策です。

インフルエンザと風邪

インフルエンザと普通のカゼとの大きな違いは、インフルエンザの症状が高熱や関節痛など強い全身症状が前面にでるということです。特に抵抗力の弱いお年よりや乳幼児、糖尿病などの基礎疾患がある人では重症化しやすく、死亡にまで至ることがあります。

インフルエンザに関しては、近年、迅速診断が可能な診断用キットが診療に利用されています。またリレンザとタミフルというインフルエンザウィルス増殖に必要な酵素を阻害する治療薬も保険適用になっています。鼻水や咳といった症状に対してはあくまでも対症療法が中心になります。発熱は微生物に対する防御反応の一つで、ウィルスの活動を鈍らせ、線毛の働きを活発化しますので、必ずしも下げる必要はありません。ただ、体力を消耗させますので、39度以上の熱のために食欲がなくなったり、ぐったりしてしまっている時は、解熱鎮痛剤を使いましょう。熱による筋肉痛や頭痛を和らげる作用もあります。

それにしても、インフルエンザもカゼも、かかってしまったら、とにかく安静が大事なのは変わりません。睡眠時には抗体をつくるリンパ球の活動が促進されますので、十分な睡眠は回復を早めます。本来の自己治癒力をフル活動させ、その補助的手段として薬などを上手に加えて頂きながらこの冬を乗り切っていただきたいと思います。

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